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No.305 アメリカで生食できる卵って?(Edible raw eggs in America)

アメリカに住む日本人が大いに気になるトピックの1つ。

アメリカで生卵は食べられるの?

「Grade AA の卵なら安全」、「日系スーパーで売られてるオーガニック卵ならOK」、「Trader Joe's や Costco のなら回転が速いから新鮮」などなど、都市伝説的な噂は聞くけれど、ちゃんとした確証はなく。なんといっても不安だったのが、オーガニックだろうがなんだろうが、どの卵のパッケージにも書いてあるこの表示。


  SAFE HANDLING INSTRUCTION: To prevent illness from bacteria:
  keep eggs refrigerated, cook eggs until yolks are firm, and
  cook foods containing eggs thoroughly.


(細菌から身を守るために、卵は冷蔵保存し、
黄身は固くなるまで調理し、卵を含む食べ物は完全に火を通しましょう。)
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これって、生で食べちゃいけないってことなんじゃ・・・。


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これを機に USDA (United States Department of Agrivulture:米国農務省)が出している卵に関する正式なガイドラインを読んでみた。

■ USDA: Shell Eggs from Farm to Table
http://www.fsis.usda.gov/fact_sheets/Focus_On_Shell_Eggs/index.asp

すると、今まで知らなかった興味深い事実がいくつも判明。

・サルモネラ菌は殻の外側だけでなく黄身にも存在する!
・卵が新鮮であることとサルモネラ菌がいないこととは関係ない!
・オーガニックだからといってサルモネラ菌がいない(安全)とは限らない!
アメリカでも生食できる卵は存在する!



■ USDA ガイドラインで知った興味深い事実

サルモネラ菌は雌鶏の卵巣などから卵に体内感染することもあるため、殻の外側だけでなく内側(黄身)にも存在しうる。

卵は当然新しいほうがいい。古い卵は論外。でも、新しいからといってサルモネラ菌が殺菌されているとは限らない。オーガニック卵も同様。オーガニック卵のほうが雌鶏が元気かつ健康に育てられるため、より健全な卵を産むけれど、それでもサルモネラ菌に感染している可能性はある。

生で食べることを前提にしている日本では、鶏卵農家が抗生物質を含んだ飼料を与えたり、衛生管理全般(殺菌処理)が行き届いているといえる。(by Wikipedia「卵かけご飯」より。)※考え様によっては、抗生物質を何も与えられていないオーガニック鶏のほうが菌に感染している可能性が高いと指摘している人もいる。



■ 生食できる卵の入手場所 in America (California)

USDA ガイドラインにもあるように、USDA が認可した方法で低温殺菌された殺菌卵(Pasteurized eggs)であればサルモネラフリー(Salmonella-free eggs)であることが保証される。USDA は生食を断言はしていないけれど、ほぼ生食可能と判断できる。よって、パッケージに "Pasteurized eggs" と明記されている卵(あるいは、SAFE HANDLING INSTRUCTIONS が書かれていない卵)を探せばいい。


で、ようやく見つけたのが以下!

Davidson's Pasteurized Shell Eggs
http://safeeggs.com/foodservice/whysafestchoice.php
取り扱い店舗
http://www.safeeggs.com/store-locator
USDA 認可のもと、Pasteurized eggs を製造している鶏卵会社。カリフォルニアでは SYSCO が扱っている。San Francisco や Sacramento に店舗はあるが、SYSCO は基本的に業者やレストランに卸す会社なので、一般消費者が入手するのは難しそう。
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Frenzs
http://www.frenzs.co.nz/
取り扱い店舗
http://www.frenzs.co.nz/Where-to-Buy.aspx
ニュージーランド政府(New Zealand Government)認可のもと、Salmonella-free eggs を製造し、安全にアメリカに輸入している鶏卵会社。カリフォルニアでは Whole Foods の一部店舗や日系スーパーニジヤ(Nijiya)で取り扱っているーー!やったー!
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※ニジヤでは Torrance、San Diego、Mountain View など5店舗のみの取り扱いと載っているが、ニジヤに確認したところ、ニジヤ全店で取り扱っているとのこと!見当たらない場合は入荷予定日をスタッフに確認できるらしい。Whole Foods も全店扱いだったりしないかな(不明)。




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でも実は、まだ一度もこの卵たちにお目にかかったことがない。妊婦さんにでもならない限り、オーガニック地鶏のたまごで満足してそうな気もするけれど(笑)、正しい知識としていろいろ勉強になりました。

※詳しい情報を知りたい方は、USDA の原文あるいは以下の抜粋意訳を読んでみてください。結構興味深いですよ。

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■ USDA 卵に関するガイドライン(抜粋意訳)

Q1. サルモネラ菌はどのように卵に感染するのか?
A1. バクテリアは卵の殻の外側に存在する可能性がある。卵は雌鶏の糞の排泄経路と同じ場所を通るためである。ゆえに、卵は工場で洗浄して衛生化される。バクテリアは割っていない卵の内側にも存在する可能性がある。菌は雌鶏の卵巣や卵管に寄生し、そこから卵黄にも寄生し得る。ただし、サルモネラ菌は雌鶏を病気にはしない。卵を産んだ後も、殻の表面にある細かい気孔から糞便感染する可能性もある。

  ※殻の外側を熱湯消毒するという人もいるが、それだけでは不十分。


Q2. 卵のパッケージに記された「安全な取り扱い方法」はどのようなものか?
A2. サルモネラ菌の殺菌処理を行っていない生の殻付き卵は以下の文章をパッケージに明記しなければならない。

  SAFE HANDLING INSTRUCTIONS: To prevent illness from bacteria:
  Keep eggs refrigerated, cook eggs until yolks are firm, and
  cook foods containing eggs thoroughly.

  ※この表示がある卵はサルモネラ菌が存在する可能性があるということ。
  ※オーガニック卵も然り!



Q3. 生卵および半生の卵を食べると危険な人は?
A3. 乳幼児、幼い子供、高齢者、妊娠中の女性(危険はお腹の中の子供に及ぶ)、免疫組織の弱い人はサルモネラ菌の影響を受けやすい。その他でも、生卵を含む食べ物を食べてよい人はいない。これは、生卵で作られたミルクシェイク、シーザーサラダ、ホースラディッシュ・ソース、手作りマヨネーズ、アイスクリーム、エッグノックを含む。ただし、殻内殺菌卵(pasteurized eggs)は調理しなくても安全に食べられる可能性がある。

  ※レストランのドレッシングで使われていたら避けようがない。。


Q4. 卵はどのようにして安全に店頭まで運ばれるのか?
A4. 米商務省(The U.S. Department of Commerce)が1990年に制定した食品輸送衛生法(Sanitary Food Transportation Act)は、食品運送車両は食品のみを運送することを定めている。また、1999年には FSIS が新しいルールを規定している:

 ・消費者向け殻付き卵は、45°F(7.2℃)以下で冷蔵流通すること。
 ・すべてのパックされた殻付き卵には、要冷蔵と記述すること。
 ・輸入されたすべての消費者向け殻付き卵は、45°F(7.2℃)以下で冷蔵流通
  されてきた証明を必要とすること。


Q5. 殻付き卵は殺菌できるのか?
A5. 殻付き卵は、米食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)が承認した処理工程であれば殺菌可能である。現在、殺菌卵(Pasteurized eggs)はいくつかの店頭で販売されている。家庭向けの卵殺菌処理装置は存在しない。よって、家庭では調理する以外の殺菌方法はない。

  ※重要なキーワードは "Pasteurized eggs"。
  ※これが明記されている卵はサルモネラフリー(Salmonella-free eggs)であることが保障される。



Q6. 卵の Grade とは?
A6. USDA Grade 付けは任意。希望する業者が有料で Grade 付けをする。USDA Grade マークにより、USDA 規格付けの監視下で品質規定と品質標準のサイズ(重さ)を保障されたことになる。品質標準、格付け、重さへの準拠は USDA により監視されている。卵には、U.S. Grade AA、A、Bの3段階の消費者 Grade がある。Grade は卵の内側の品質と卵の殻の見た目と状態によって決定される。Grade と卵の重さ(サイズ)とは別規格である。

 ・U.S. Grade AA の卵は、厚くて固めの白身を持つ。黄身は高さがあり丸くて
  実質上問題ないもの。殻がきれいで壊れていないこと。
 ・U.S. Grade A の卵は、品質上は Grade AA と同等だが、唯一白身が
  合理的に固い。これが最もよく取得されている Grade である。
 ・U.S. Grade B の卵は、上位 Grade に比べて白身が薄く、黄身が広がって
  いて平たんである可能性がある。殻は割れていてはいけないが、多少のしみ
  があることがある。この品質は小売店ではほとんど見かけない。なぜなら、
  Grade B の卵は通常、液体、冷凍、乾燥卵の製品のために使われる。

  ※Grade と卵に殺菌がいるかどうかは関係ない。


Q7. パックの日付
A7. 多くの卵は生まれてから数日後には店頭に並ぶ。USDA Grade 付きの卵は "Pack Date" (卵が洗われて Grade 付けされ、パッケージに詰められた日)を明記する必要がある。3桁の数字は1年の日数を示しており、1月1日の 001 から始まり、12月31日の 365 で終了する。"sell-by" の日付が USDA Grade 付きのパックに記されているときは、3桁コードの日付はパックされた日から45日以上は経っていない。

  ※つまり、3桁の数字が大きいほど新しいことを意味する。
  ※私はこの数字を見たことがないけれど。



Q8. なぜ卵は冷蔵保存しなければならないのか?
A9. 温度の変動は安全性にとって致命的である。サルモネラ菌を考えたとき、生まれた卵は可能な限り早く冷蔵されるべきである。冷蔵後はそのままの状態を維持すること。冷たい卵を常温に放置すると汗をかき、バクテリア増殖を促進する。冷蔵された卵を2時間以上出しっぱなしにしない。


Q9. 卵は洗うべきか?
A9. いいえ。卵が生まれると、雌鶏は卵に保護膜をかける。政府規制下において、USDA Grade の卵は工場で慎重に洗浄され、特殊な洗浄剤によって殺菌化される。そして、卵は無味の自然なミネラルオイルで保護される。


Q10. 卵を安全に扱うためには?
A10. 適切な冷蔵、調理、取り扱いにより、卵の安全問題を防止できる:

 ・卵を触った後は、調理器具や調理装置、作業場を洗剤とお湯で洗浄する。
 ・卵は2時間以上常温に放置しない。
 ・レシピ上、混ぜることになっている生卵と他の材料は、即座に調理するか、
  冷蔵して24時間以内に調理する。
 ・卵料理は調理後すぐに出すか小さな入れ物にいれてすばやく冷まし一度だけ
  冷蔵して後ほど出す。3~4日以内に使うこと。


Q11. 殻の色は卵の成分に影響するのか?
A11. いいえ。殻の色は雌鶏の品種によって決定される。


Q12. 有精卵(Fertilized eggs)はより栄養価が高いのか?
A12. いいえ。有精卵を食べることによる利点は特にない。有精卵と無精卵で栄養価の違いはない。今日売られている卵のほとんどは無精卵である。雄鶏は雌鶏と同じ場所で飼育されない。卵が有精で細胞発達が発見された場合、商流から外される。

(Last Modified: March 27, 2007)
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by shina_pooh_at_sfo | 2007-08-20 06:00 | アメリカの生卵


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