受けました、胸の生検(Biopsy)。
針を胸に指して細胞組織を取り出して検査するやつです。。(前回までの経緯はこちら。) 結果から言うと、問題ない石灰化でした(良性)。今後は年に1回の検診およびマンモグラフィーで経過を見守ることになります。ちょっと長くなりますが、耳慣れない生検という検査なので、体験談をつれづれってみました。 -+-+- ■生検について 生検には2種類あって、疑わしい場所に針を刺してサンプル組織を吸いだす針生検(needle biopsy)と、手術で疑わしい場所ごと全部取り去ってしまう切開生検(excisional biopsy)がある。※言い方はいろいろ。 今回は針で細胞を吸い取る針生検。中央と側面に穴の開いた針を患部に刺し、バキュームで石灰化している箇所の細胞を吸い取る。石灰化の状況や個人差によって針の太さが変わってくる。私が受けたのは中くらいの太さのコア・バイオプシー(Core Biopsy)と呼ばれる針生検。針生検なので、全身麻酔(general anesthesia)ではなく局部麻酔(local anesthesia)らしい。 その場で超音波(Ultrasound-Guided Biopsy)かマンモグラフィー(Stereotactic Biopsy)で患部を見ながら、狙いを定めて針を刺す。 ■前日までの不安と決心 マンモグラフィーで石灰化(calcification)が見つかった後、専門医の先生とコンサルテーションを行った。その結果「100%大丈夫とは言い切れないので、やはり生検を行ったほうがいいでしょうね。」と勧められた。えーん・・・。 痛みはほとんどないと説明される。最初の麻酔の注射だけ多少ちくっとするとのこと。と言われても、太い針を胸に刺すんでしょう?えーん・・・。 数日後、生検を受けるにあたっての注意事項や生検のメリット、リスクなどが書かれた冊子と説明用紙が送られてきた。「まれに大量出血したり極度の痛みを伴うことがあります。」など、怖いことがたくさん書かれてある(T_T)(T_T)(T_T)起こりうるすべての危険性を書いておかないと、訴える人がいるからね、アメリカ。。 ↓書類の最後には、私と夫の同意サインの欄が。どこまでもアメリカらしい。 ------ After reading "A Woman's Guide to Breast Cancer Diagnosis and Treatment," and this form and discussing this information with the radiologist, I have been informed of the nature, risks and benefits of biopsy. I am aware of the alternatives, and know there is no guarantee as to the outcome of the results. ("女性の乳がん診断と治療" ブックとこの説明書を読み、放射線科医師と話し合った結果、私は生検の性質、リスク、利点についての情報を与えられました。私は代替検査があることと、結果に関して100%の保証がないことを理解しています。) ■生検当日 当日。 普段食べない朝ごはんだけど、体力がなくなるといけないのでクッキーを2枚食べて病院へ向かう(これは正解だった)。運転は夫にお願い。車の中で不安は募るばかり。。。 最初に先生に不明な点をいくつか質問する。ちなみに私がした質問は以下。 Q. 石灰化は複数見られたがすべての石灰化を取り除くのか。 A. あくまで一部のサンプル細胞のみ。 ※生検で取り除いた細胞が陽性だった場合、後の手術の箇所が少なくなるため、生検で取り除ければベスト。 Q. すべて取り除かないのなら、その後のフォローアップ検査はマンモグラフィーでいいのか。あるいは再度生検を実施しなければいけないのか。 A. 検査結果による。半年あるいは1年に1回のマンモグラフィーでいい場合もあれば、手術による生検を行わなければいけない場合もある。 Q. 生検のための針挿入は1回か、複数回か。 A. 1回(1ヵ所)のみ。1回の挿入でまわりの必要な細胞を吸い取る。 Q. 痛み止めの薬とその他の常用薬について。 A. 痛み止めにはアセタミノフェン系の薬(タイレノール(Tylenol))を服用すること。アスピリン(Aspirin)やアドビル(Advil)はだめ。 ※日本の薬だと、ノーシンはアセタミノフェンなのでOK。バファリンに含まれるアセチルサリチル酸はアスピリンなのでNG! その他、鼻のアレルギーの薬などはOK。(ちゃんと実物を見せて確認した) Q. 生検実施日に飲酒をしても大丈夫か。 ← こらこら。。。 A. 問題ない。 ■いよいよ生検開始 夫が部屋から出て行き、生検開始。胸の部分がくりぬかれた診察台にうつ伏せになる。顔は機械と逆のほうを向かされ、機械や施術状況はいっさい見えないようになっている。 緊張はよくない!と思い、頭のなかで音楽なんかを歌ってみた。※そのときの気分はトラジハイジの「ファンタスティポ」。あぁぁ、不謹慎な画像ですみません。でも、当の本人は心を落ち着かせようと必死だったのです。。 最初に胸を板で挟まれて、うつ伏せでマンモグラフィーを撮る。その後、胸を板で挟んだままで局部麻酔の注射が打たれる。30秒くらいかけてゆっくり注入。これはちくっとするだけ。その間、看護婦さんがずっと背中をなでなでてくれていて、すごく落ち着いた。こういうのはうれしい。「何か感じる?」と聞かれるが、感じているのか感じていないのかすらわからず、思わず「I'm OK.」と、わけのわからない返事をしてしまう始末。。 すると、「じゃ、いくわよ。3、2、1。」の言葉の後に "バシッ!!!" という大きな音がする。・・・え?今ので針が刺さったの・・・?でも、まったく感覚なし。痛みもなし。その後、耳元で "ウィ~ンウィ~ン" と機械の音がするけれど、まったく感覚なし。吸出しが15分くらい続いたのかな、「終わったわよ。」と言われ、胸を挟んでいた板から開放された。 「仰向けに向き直って、患部をガーゼで強く押さえていてね。」と指示され、しばし圧迫止血。その間、、、看護婦さんがタオルやガーゼでそのあたりをふきまくっている。床からベッドから血を受けるバケツのような物から機械の隅々まで。そんなにスプラッタなんですか・・・?でも、仰向けになっているから状況は見えず。掃除が終わったらしく、私も圧迫止血終了。起き上がったときにはあたりはきれいになっていた。。血一滴見えず。 最後に、無事細胞が摂取できたかどうかを確認するため、再度マンモグラフィーを撮る。簡単なテーピングで患部が開かないように固定し、おなじみ板で挟まれマンモグラフィー。このときもまだ麻酔状態なので、痛みも何も感じない。出血も大丈夫な様子。 細胞が摂取できたことを確認した後、脱脂綿とガーゼで患部を止め、服を着て生検終了。検査はほぼきっかり1時間。これから寝るまで1時間に10分おきにアイスパックで冷やし続ける。ガーゼを取っていいのは24時間後。つまり、翌日午後以降。 ■生検後 最初の1時間は麻酔状態が続き、痛みも何もない。「今日は寝てなさい!」という夫のありがたい忠告を無視してパソコンを見たりして。。 2時間後、ちょっと気持ち悪くなってくる。軽い鈍痛もしてる気がする。気持ち悪くなると、何か食べたくなる(食べづわり?)。クッキーやお菓子を手当たりしだい食べる食べる。。。満腹中枢が満たされると、再び落ち着いた。 アイスパックは1時間に10分ずつと言われていたが、ずっと当てていたほうが気持ちいいし痛みも緩和されるので、氷だけ交換しながら当て続けていた。その後も軽い痛みはあったものの、起こりうるであろう傷の痛み。結局鎮痛剤(ノーシン)は飲まず。その日の夜も普通に(普通以上に?)ワイン飲んだし。 2日日も家で安静にしていた。2日目に先生から電話があり「良性だったから安心してね。」とのこと。よかったよかった。夫が、頑張った記念にシャンパンを買ってきてくれた。 3日目の朝、そーーっとガーゼと脱脂綿とテーピングを外す。患部を見ると2~3ミリの針穴の傷跡が。。こんな太い針だったんだ、、、と、改めて怖くなる。徐々に消えてはいくだろうけれど、多少は残るだろうな。そんな訳で、3日目も安静。専業主婦でよかった。仕事してる女性がこんな検査を受けるなんて大変だ。。 -+-+- 余談。 どの先生にも必ず聞かれたのが「なぜ30歳の若さでマンモグラフィーなんてやったの?」という質問。えー?アメリカのほうがマンモグラフィーは進んでるんじゃないの?先生によると「アメリカでは通常40歳から、イギリスなんて50歳からよ」とのこと。マンモグラフィーによる乳がん早期発見率が高いのは高齢者、ということなのだろう。 -+-+- 最後に、今回は本当に夫に勇気付けられた。自分ひとりだったら、たぶん怖くて生検は受けなかったと思う。夫自身も心配は大きかったと思うけど、生検前から当日まで、面白い事なども言いながらずっと元気付けてくれてた。本当にありがとね。
by shina_pooh_at_sfo
| 2006-08-31 05:58
| 病院&薬
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