No.1077 洗練、革新し続ける情熱のモロッコレストラン Aziza@San Francisco

モロッコ。エキゾチックな響き。2010年に初めてミシュラン1つ星を獲得し、2011年も引き続き1つ星に輝いているのが、サンフランシスコのリッチモンド地区にあるモロッコレストラン Aziza。モロッコレストランでは世界初のミシュランスター。

Aziza

モロッコ出身のオーナーシェフ Mourad Lahlou(ムラッド・ラルー)氏は、レストランオープンから10年経った今でも革新を遂げ続ける探求家としてベイエリアでも一目置かれている。伝統的なモロッコ料理をモダンに革新的に、より洗練されたものへ。カリフォルニアのローカルで新鮮な素材へのこだわりも忘れない。ペイストリーシェフの Melissa Chou(メリッサ・シュウ) 女史も、SF 50 Treats to Eat Before You Die で "Most anything made by pastry chef Melissa Chou at Aziza" とほぼ最大級の賞賛を得ている。最強タッグ。


薄暗い空間にろうそくが揺らめく。馬蹄形アーチが並ぶムーア様式、赤のシャンデリア、モザイクが散りばめられたランプ、青いスエード椅子。気分はアラビアンナイト。

Aziza


Aziza のメニューはユニークで、まずメイン素材が書かれていて、その横に他の素材の名前のみが続く。なのでメニューからは料理のイメージが掴みづらい。そんな時はちょっと奮発だけど決められたコース(Tasting Menu、75ドル)がいいね、と行く前から決めていた。そしたら、結局その日のメニューからスープ、前菜、メイン、デザートを自分で選ぶ形式。優しく丁寧なお姉さんにいろいろ伺いながらマイコース完成。

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Aziza は独創的なカクテルでも有名。ハーブ、スパイス、野菜、フルーツなど、驚きの組み合わせがずらり。この日選んだのは almond, smoked sea salt foam, agave (tequila)。スモーキーなシーソルトの泡と、ローストされたアーモンドが鼻腔をくすぐるテキーラ。うま。

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アミューズ。右から、スパイスや野菜や食用フラワーが乗ったライスクラッカー、ゴートチーズ&ジャムのカナッペ、ハイビスカスドリンク。右から順番に食べてください、とのこと。ライスクラッカーが香ばしくてお気に入り。

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コースの1品目はスープ。lentil soup (medjool date, celery, parsley) と today's pea soup (fennel, orange) をそれぞれ。大きな白いお皿に芸術的に並べられた素材はまるでキャンバス上のアート。そこに目の前でスープを注いでくれる。お気に入りだった本日のピースープは、優しく滑らかな豆にフェンネルと柑橘オレンジがとてもいいアクセント。レンティルスープもデーツの甘さがアクセント。(注いでもらった後なので写真はなし。)



beet - melon, ash yogurt, purslane, chili
コース2品目。前菜より、ビーツ。キラキラ光る宝石のように並べられた食材たち。驚くほど甘い紫ビーツ、ミニキューブに切られたゴールデンビーツ、旬のメロンの甘みと、ぴりっとチリ。口の中でコントラストが楽しい。

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prawn - corn, black garlic, yolk, bok choy, shellfish
コース2品目。前菜より、海老。半熟の卵黄が中央に隠れていて、これがすべてをまろやかに纏め上げ、うなるほど美味しい。スパイスであるスモークパプリカがモロッコ異国情緒。

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ここで箸休めのモロッコスープが登場。コンソメ風のポテトスープの中にこれまた半熟卵黄が隠れていて、よくかき混ぜて食べると最高に美味しい。ちょうどいい食感のルートベジタブルが底にころころ。

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duck confit - basteeya, raisin, almond
コース3品目。このお店のシグネチャ、最もモロッコらしい一品と説明された、鴨のコンフィ。薄いフィロで巻かれたダック・コンフィはスパイス豊かに香り、レーズンとの相性も抜群。添えられたジャムと甘めのハマスをつけてもまた美味しい。シグネチャ・ディッシュの名にふさわしい一品。

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cod - feuille de brik, piquillo, clam, okra, preserved lemon
コース3品目、。本来はダック・コンフィが全コースでサーブされるはずなんだけど、コンフィを脂っこいパテと勘違いした私が(パテ苦手)変更してもらった前菜メニュー。タラとクラムのすり身を薄いパイ生地で巻いて揚げてある。揚げたてふわふわ、レモンの酸味が爽やか。(これもとても美味しかったけれど、ダック・コンフィのままでもよかった。それくらいダック・コンフィは美味しかった。)

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squab - fig, turnip, corn, fig leaf emulsion
コース4品目。メインより、ひな鳩。モロッコといえばのラムもあったんだけど、お店の方のお勧めでこちらをチョイス。とても柔らかい肉で、まったく臭みもなく(ジビエ好き)、不思議なスパイス風味のソースとフィグの甘さがよくあう。

Aziza


cauliflower - couscous, almond, castelvetrano, harissa
コース4品目。メインより、カリフラワー。私はこれにノックアウト。本日一番のお気に入り。バターでじっくりソテーされた香ばしいカリフラワーとアーモンド。ハリッサと呼ばれるエキゾチックな香辛料ペーストが味をくっと引き締める。そして Aziza 自家製クスクス。煮汁を吸い込んだクスクスとはちょっと違い、ふんわり食べ応えのある細かな細かなパスタ。(まあ、そもそもパスタなんだけど。)ほんのりレモンの酸味のお影でバターもしつこく感じない。ノックアウト。夫が驚くほど、完食。

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ワインは、お店の人のお勧めでフランス・ロワールの白ワイン Muscadet(ミュスカデ)。やや辛口のフレッシュで飲みやすいワイン。ワインは次回はお気に入りを持ち込みでもいいかも。

2010 Domaine de la Pépière, Muscadet Sèvre et Maine Sur Lie



mint bavarian - hibiscus, pistachio, lime-buttermilk foam
コース5品目。デザートに、ミント・ババロア。ミント好きの夫は大満足。見た目も繊細で可愛い。

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私はというと、酔いも回って、ごく普通のキャラメル・アイスクリーム&ホワイトチョコ・ムースを頼んでしまう。美味しかったけれど、どうしても創作性に欠ける。地中海料理に多いミント、ローズ、ラベンダー、リコリスなどを使ったデザートが苦手なんだけど、Melissa Chou ペイストリーシェフほどの人が作るものなら、ビーツ・シャーベットやリコリスルート・アイスクリーム、ラベンダーケーキを選んでみればよかった、と後悔。


最後にプチフールと、お土産の自家製グラノーラ。翌日食べたグラノーラは、香ばしいゴマと、塩とスパイスが効いていて、エキゾチックな甘辛さ。面白い。

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もともと期待は大きかったけれど、それを大きく上回る大満足ディナー。まず目で、洗練されたプレゼンテーションを堪能。どの料理にも刺激的な土着スパイスの香りがし、基本は北アフリカの伝統的な調理に根付いているんだ、と食べる毎に実感。どの料理にもフルーツを上手に使っているのも感心。ベジタリアンメニューも充実。特にお気に入りは、海老、モロッコスープ、鴨のコンフィ、カリフラワー。

ただ、いくつかのレビューにも書かれているように、サービスは非常にスロー。(テーブルに通されて、ワインを選んで、メニューを決めて、前菜が出てきた時点で既に2時間が経過していた。)それでも最後にはこの満足度。ゆったりとしたペースを余裕を持って楽しむ、そんな大人のレストラン。次来たときはどんな進化を遂げているんだろう。また必ず訪れたい。


Aziza
http://aziza-sf.com/
5800 Geary Blvd.
San Francisco, CA 94121

水~月:ディナーのみ。火曜定休。
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by shina_pooh_at_sfo | 2011-09-20 02:21 | レストラン


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