No.915 東欧スイーツの伝統の秘密 Crixa Cakes@Berkeley

バークレーのダウンタウンから少し南に下った静かな通りにある、ハンガリー、ロシアのケーキ&ベーカリー Crixa Cakes (クリクサ)。ピンクのけむりがゆるゆると立ち上るデザインは魔法のランプのよう。

Crixa Cakes


ハンガリー、ロシア。東欧のスイーツ。ってどんなスイーツなんだろう。そんな想像を膨らませながら、オーナー Elizabeth Kloian さんの言葉を読む。

「子供の頃に連れて行ってもらったロシアンベーカリー。お店の名前もストリート名すら思い出せないけれど、店先の情景とお店に漂う香りは今でもはっきりと覚えている。アメリカではそれが見つからない。」

「良質の牛乳で出来た生クリーム、生粋のバターから作られたバタークリーム。ジンジャーケーやパンプキンパイはスパイシーであるべきだし、クッキーはしっかりとバターで、プティングはクリーミーでミルキーで、ジャムはペクチンなど使わないフルーツの凝縮で。パイ生地は植物性ショートニングなどではなく、本物のスイートバターで作らなきゃ。酔っ払わせたいわけじゃなくて、たっぷりのダークラムやキルシュやブランデーは芳醇なケーキ作りに必要な要素。こうした歴史と伝統を忘れず受け継いでいきたいし、それをお客様にも伝えたいから。」

上質な本物の東欧に、出会えそうな気がする。



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店内は素朴なアンティーク調のディスプレイ。天井からぶら下がるブリキの調理器具は、田舎の台所を思わせる。

Crixa Cakes


ショーケースにはシンプルなケーキ、カウンター横のガラス越しには素朴な焼き菓子。売り切れてる品もいくつかあって、フレッシュに1日に必要な分だけ作られているんだろうな、と思ったり。

Crixa Cakes



あれもこれもと盛りだくさんの記録。まずは、カフェで頂いた2つのケーキ。

Vatroushka - Russian-style cheesecake ロシア風チーズケーキ ($4.25)
Russian-style cheesecake of sweet curd cheese, sour cream and vanilla. In Hungarian, Túrós pite.
しっとり柔らかなレアチーズケーキ風。甘さも控えめ。底のクラストもしっとりで美味しい。今回食べたケーキの中では一番お気に入り。夫にも買って帰ってあげようとお店に戻ったら、、完売。

Double Purple Pie プラムとブルーベリーのパイ ($4.85)
Blue with joy. Thick pieces of tangy purple plums and sweet blueberries.
パイは季節物のフルーツなので、どんどんメニューが変わる。今回はプラムとブルーベリーでWパープル。これがすごい大きさと厚み!パイ生地はざくっと厚めで、評判どおりさくさく、パイというよりガレットのよう。フィリングのフルーツはいい酸味。でもちょっと甘め。

Crixa Cakes



お持ち帰りのケーキたち。(箱の中で寄ってしまって形がいびつなのが残念。)

Strawberry Cream Cake ストロベリー・クリームケーキ ($5.25)
Tender kirsch-soaked vanilla chiffon with fresh plump strawberries in brandied vanilla custard. Lightly sweetened whip cream and crushed amaretti.
キルシュ・リキュールを含ませたしっとりシフォンケーキ。シフォンだけでなくケーキ全体からもリキュールの香りがする。この生クリームの味・・・、練乳だ。まあまあ甘い。夫はこちらが好き。

Crixa Cakes


Orosz Krémtorta - Russian Cream Cake  ロシア風クリームケーキ ($4.85)
Rum cream with candied peel and raisins, and vanilla sponge cake. In Hungarian, Orosz Krémtorta.
一方、私はこちらがお気に入り。ラムが香る大人のケーキ。スポンジはストロベリーケーキのシフォンより口当たりしっかりで、比べるとやや甘さ控えめ。オレンジピールのほろ苦い味がアクセント。

Crixa Cakes


Tiramisu ティラミス ($4.85)
Espresso soaked sponge cake with brandied mascarpone cream, dusted with cocoa.
しっとり感が絶妙なティラミス。よくある "浸しすぎたスポンジ" にはならず、しっとり。リキュールたっぷりなのがいい。マスカルポーネが上品で美味しい!さすが Crixa の一番人気。アメリカで食べたティラミスの中では確実にベスト3入り。(Soprano Tiramisu というチョコレートムース・バージョンもあるのでお好みで。)

Crixa Cakes


Almond Cake with Raspberry アーモンドケーキ ($1.85)
Rich, moist, fine-grained butter and marzipan cake with tart red-raspberry jam.
Crixa Top 10 にランキングされてるアーモンドケーキ。焼き菓子大好きなので、この黄金色に惹かれてつい。しっとり&バターたっぷり。甘め。

Crixa Cakes


Saffron Bun サフラン・バン ($2.35)
Adapted from Hannah Glasse's 1747 recipe. Lightly sweet, spicy with currants and saffron.
実はこれがダークホース。普通のパンかと思いきや、ブリオッシュ生地にドライフルーツが入ってる。サフランのスパイシーさが嫌味のない程度に。甘くて柔らかくて、そうだ、この味はクリスマスに出回るパネトーネにそっくり。ケーキを差し置いて、実はいちばんのお気に入りかも。

Crixa Cakes


ケーキメニューは月替わり、パンや焼き菓子は曜日替わりのものもある。チョコレートケーキも充実だけど、チョコ系はちょっと重そうで甘そう(個人的印象)。今回買えなかった Kifli (ハンガリーの三日月形のパイのようなジャム入りパン)、Custard Kolachy (クリームパンのような菓子パン)、Poppyseed Rugelach (何層にも重ねた柔らかいペストリーに黒いポピーシードがつまったデニッシュ)など、個人的にはケーキよりも朝食的な甘いお菓子パンに惹かれてる。Miyukiさんお勧めの Bread Pudding や生クリームが挟まったメレンゲ Bizet with Cream も次回用にメモメモ。(後日談。Bread Pudding はしっとりしすぎずしっかり目で、パウンドケーキみたい。ふんわりバナナの香りがしてとても美味しい!)

内陸部の東欧だけに、リキュールやジャムなど保存が利くものが多いのかも。「甘さ控えめなスイーツ」ではない。素朴で、どちらかというとリッチ。でもそのリッチさは、正真正銘の上質な素材を使って、正しい伝統を伝えようとする気持ちの表れ。次回用メモを持って、また行っちゃうだろうな。


ピンクのウサギが目印。

Crixa Cakes
http://www.crixacakes.com
2748 Adeline St
Berkeley, CA 94703

日月定休。サイトに月替わりのメニューが随時掲載されています。
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by shina_pooh_at_sfo | 2010-10-13 14:54 | レストラン


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